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本社経費を各店舗に配賦する基準について

複数店舗を展開している企業で発生する本社経費。これを各店舗に配賦することで会社全体での利益がより見えやすくなります。

ここでは、本社経費の配賦とは、配賦方法について、モチベーションに与える影響について、配賦を行う上で必要なことについて解説します。

本社経費の配賦とは

複数店舗を展開している企業の各店舗と本社の関係は、店舗は直接顧客へサービスを提供し、本社は店舗がよりよいサービスを提供できるように店舗のサポートをするといった関係です。あくまでも売上や利益の源泉は店舗にあります。

本社経費とは、各店舗のサポートをするために存在する本社でかかる経費、共通固定費のことです。

そして、配賦とは各店舗へ一定の基準に基づいて配分することをいいます。

まとめると、本社経費の配賦とは、本社で発生した共通固定費を一定の基準に基づき各店舗へ配分することです。

店舗から見た本社経費の配賦

では、本社経費の配賦を店舗側から見ると、どのようになるのでしょうか。

店舗Aの売上が100、商品原価などの変動費が40、人件費や家賃など個別固定費が50、本社経費の配賦にあたる共通固定費20としましょう。

売上100から、変動費の40と個別固定費の50を引いた差引10、これが通常店舗が見ている利益、いわゆる貢献利益です。

貢献利益=売上ー変動費ー個別固定費

ここから、配賦された共通固定費20を引きます。そうすると-10と赤字となることがわかります。

一見、店舗単体では黒字に思えても、企業全体の利益で考えると赤字という状況です。本社費を一切考慮していないと、各店舗は黒字なのになぜか企業全体では赤字になってしまう、といった状況が起こり得ます。

本社経費を各店舗に配賦することで、各店舗ごとの貢献利益はどうか、その後本社経費を考慮して最終の営業利益はどうか、と企業全体の利益を各店舗ごとで意識することができます。

では、次に本社経費を配賦する基準について見ていきます。

本社経費の配賦基準について

本社経費の配賦基準はいくつかあります。代表的なものとして、売上高、売上総利益、人員数、店舗面積などが挙げられます。

本社経費を配賦するメリットは、 各店舗ごとで企業全体の利益を意識できることです。逆にデメリットとして、それぞれの配賦基準によっては、社員のモチベーションの低下や本来の目的と違った行動に繋がることなど、特に組織マネジメントの観点からのデメリットが考えられます。

それぞれの配賦基準について見ていきます。

売上高による配賦基準

単純に全体の売上高に占める各店舗の売上高の比率で配分します。

ただし、店舗から見て、頑張って売上を上げれば上げるだけ本社経費を乗せられ損をする・売上を上げても報われない、といったような認識にならないよう注意が必要です。

売上総利益による配賦基準

全体の売上総利益に対する各店舗ごとの売上総利益の比率で配分します。

売上総利益とは、売上高から売上原価を差し引いたものです。

こちらに関しても、店舗から見て、利益が残ればその分損をする、といった認識になり、あえて原価を嵩まし売上総利益を減らすということが起こらないよう配慮や注意が必要です。

人員数による配賦基準

店舗全体の人員あたりの各店舗ごとの人員の割合で配分します。

人員が増えればその分本社経費の配賦比率が大きくなるということから、意図的に人数を絞り負荷を上げる、ブラックな職場を作る、というようなインセンティブが働かないよう配慮や注意が必要です。

店舗面積による配賦基準

全体の店舗面積に対する各店舗ごとの面積で配分します。

店舗規模に応じて、配賦比率が大きくなります。大型店に移動すると損をする、といった間違った認識に繋がらないよう注意が必要です。

配賦基準を決める上で必要な事

配賦基準は、唯一正解という基準はありません。メリットとデメリットを把握した上で、企業の現状に適したものを採択するのが一番です。

その上で必須となる事項は、経営陣と各店舗管理者の間で十分な説明と議論がなされ、各管理者の納得の上で導入することです。モチベーションの低下や、本来の目的とは違う行動を促すことに繋がらないような働きかけが必要です。

場合によっては、配賦基準を設けないというのも1つでしょう。

基本的に、店舗ごとのKPI指標としては貢献利益が重要となります。店舗管理者は本社経費の配賦は考慮せず目標とする貢献利益に集中できる体制を築きます。

その場合は、本社が外部情報・内部情報の分析を行った上で、あらかじめ本社経費も考慮した各店舗の目標売上高・貢献利益を設定し、各店舗管理者と議論の上、アサインします。そうすることで、各店舗管理者は本社経費を考慮せずとも、目標貢献利益を達成すれば自ずと本社経費を加味した全社の目標営業利益を確保できます。

まとめ

今回は、店舗ビジネスにおける複数店舗展開企業の本社経費の配賦について解説しました。

配賦基準については、唯一の正解はなくそれぞれメリットとデメリットが存在します。大切なのは、基準の選択よりも全社の利益と各店舗の利益を正しくリンクさせることと、各管理者が納得し、目的に向かって突き進める環境を作ることです。

本社経費の配賦を全く考慮していない企業や特に理由もなく配賦基準を選択している企業は、一度本社経費の配賦について見直してみるのをオススメします。

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