データ分析をする、その前に考えるべきことは?
データを分析して経営に活かしたい。
けれども、データ分析といっても何のためにデータ分析をすればいいのかわからない・どんなデータを分析すればいいのかわからない。
こういった疑問や課題は意外と多いのではないでしょうか。
今回はデータ分析をする意義、データ分析の進め方、企業がデータ分析をするときにどのようなデータを分析するのか、について解説します。
目次
データ分析をする意義
データ分析における意義は、
”データ分析により得られた事実や仮説から企業業績に貢献すること”
です。
あえて、”データ分析により事実や仮説を得ること”としなかったのは、業績に直結する活動に活用することで、価値を生むからです。
1つ例として、戦に例えます。
より確実な勝利を収めるには、まず初めに戦場を知り・相手を知り・自分を知る、更にその上で、どうすれば勝てるのか様々な仮説を基に、戦略を考える必要があります。そして、戦いの中で随時戦況を正しく把握し、臨機応変に手を打つ必要があります。そして、戦いの結果を踏まえて次回にどう活かすかを考えます。
この中で、戦場を知る・相手を知る・自分を知る・戦況を把握する・効果検証する、この部分がデータ分析にあたります。これは、市場を知り・競合他社を知り・自社を知る・戦況を把握する・効果検証をする、というように、企業の活動においても同じことがいえます。
事実を正しく把握する・仮説や効果を検証する。これがデータを定量分析することで得られるメリットです。
次に、”企業業績に貢献する”の企業業績とはどのようなことを指すのか。
これは、売上向上・営業利益向上・投資収益率向上・コスト削減・効果を生み出すまでの時間短縮などを指します。
分析までの進め方
ここでは、データ分析を始めるまでに必要な大きく2つの項目について解説します。
目的を決める
まず1つめとして、データの分析を行っていくために最初にやるべきことは、目的を決めることです。
目的については、状況や段階によっても変わります。
初期段階であれば、
- 状況を正しく把握する
- どんな課題があるか明らかにする
- どんな解決策が有効か検討する
などがあるかもしれません。
次の段階では、
- 解決策の実施が上手く機能しているのかを検証する
- 上手くいった・いかなかった要因を明らかにする
- どのような改善策が有効化を検討する
などがあるかもしれません。
更に次の段階では、
- 結果、成功したのか失敗したのかを検証する
- 成功・失敗の要因を明らかにする
- 次にどう活かすか検討する
などがあるかもしれません。
状況を明らかにする、課題を明確にする、解決策を設定する、実行した効果を検証する、次の解決に繋げる、など、確実に次のステップに繋げ、最終的には成果を出すことが理想です。
そのためにも、分析で”何をしたいのか”という目的を決めることは重要です。
分析すべきデータ
そして2つめは、どんなデータを分析するかを決めることです。
分析すべきデータには大きく2つのデータがあります。
それは、内部データと外部データです。
さらに、内部データと外部データは具体的にどういったデータがあるのかをみてみます。
内部データ
内部データには、
財務・仕入・製造・営業・購買・Webログ・SNS・IoT、その他さまざまなデータがあります。
財務→仕入・製造・営業・購買→Webログ・SNS・IoT…のような階層になることがほとんどです。
ザックリとしたイメージは、日々の活動に関わる様々な時系列データの結果が、財務データとなるようなイメージです。
関連するデータを分析していくことで、定量的に構造を把握することにも繋がります。
各プロジェクトの時系列データを分析することで、各解決策の進捗を把握することができ、さらに関連する内部データや後に説明する外部データを併せて分析することで、施策が上手くいったのかそれとも上手くいっていないのかを正しく判断することができ、どう改善していくべきかを考えるきっかけともなります。
外部データ
外部データには、大きく市場・競合他社・顧客に分けられます。
外部データに関して、特にこれからデータを活用していきたいと考える企業においては、外部データを既に自社で保有していることは少なく、基本的には収集・調査していくこととなります。
手順としては、まずは必要となる外部データを収集する。必要なデータが存在しない場合は調査していく、という手順です。
市場については既にあるデータから収集できる可能性が高いですが、深堀する場合や、その他、競合他社や顧客については実際に現場へ行き、調査が必要となることが多いです。どこまで詳細なデータが必要なのかは、目的によって決まります。
データの整理
データの収集・整理については、目的を達成するにはどんなデータを分析するべきか、を考えた上で、内部データに関しては、まず自社にどのようなデータがあるか把握・整理するところから、外部データに関しては、まず収集・整理するところから始める必要があります。
そうすることで、現状存在しないデータに関しては、今後どのように記録保持していくか・どのように調査していくか、を考えることにも繋がります。
目的に応じて、分析するべきデータやデータの粒度も変化するため、あらかじめしっかりと目的を設定しておくことが大切です。
まとめ
今回は、データ分析の意義・分析までの進め方・分析すべきデータについてまとめてみました。
成果・結果を出すことに繋げるためのデータ分析であることを念頭に、まず最初に目的を決める。
そして、分析すべきデータを検討し、収集・整理する。
このステップを疎かにすると、それ以降の活動が全てぼやけてしまい、思ったような成果に結びつかない結果に繋がります。
これから経営にデータを活用したい。といった方はぜひ参考にしてみてください。
中小企業診断士 | 薬剤師
独立開業←店舗運営改善・人材教育←法人営業←ドラッグストア。中小企業の増収増益の仕組みづくりのサポートをしています。得意分野はデータ分析、営業、マーケティング。