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営業本来の役割とは

営業の役割とはなんでしょう。営業と聞くと、人によっては「モノやサービスを売る」というように、こちらから一方的に売る、というイメージを持つ方も多いのかもしれません。

しかし、私は決して営業の役割は一方的に売るということではないと考えています。

今回は、営業の役割についてまとめてみました。

目次

営業の役割とは

結論を先に申し上げると、営業の役割とは、

「お客さんの頭痛の種を明らかにして、解決するサポートをすること」

だと考えています。

「売る」という言葉は一切出てきません。お客さん自身も気づいていない頭痛の種を対話によって気づいてもらい、その根治のサポートをする。これが営業の果たすべき役割です。

私は、過去に薬剤師として売場で医薬品の販売に従事していたことがありました。その後、法人営業へ転職したのですが、営業に関しては全く困りませんでした。なぜなら、既に前職で営業の役割を実践していたからです。

例えば、頭痛に悩む患者さんが薬局に来られました。

痛み止めの相談に来た方でした。所々質問を挟みながら患者さんのお話を傾聴したところ、

「仕事ではPCを主体としたデスクワークで毎日8時間働いている」

「私生活ではスマホの時間が多い」

「昔は運動してたけど、最近は忙しくて全くしていない」

「肩こりは常にある」

「最近特に頭痛がひどくて困っている」

「頭痛薬を飲むと、とりあえず治まるから飲んでいるけど飲みつづけないと楽にならない」

「病院で貰って飲んでる薬はない」

このような事実が得られました。ここから、真の原因は胸の筋肉にあると推測しました。長時間のデスクワークやスマホ操作で胸筋が収縮した姿勢が続き、そこから胸に繋がっている肩・首の筋肉が胸の方向に引っ張られる緊張状態が続き、慢性的なコリになることで頭痛の悪化が起こっているのではないか。という推測です。

このお話を患者さんと共有したところ、「絶対そうだわ!へぇ~胸だったんだ!」「どうすればいいの?」と返答がありました。

提案としては、

  1. まず、今のひどい痛みに対症療法としてロキソニンでひとまず痛みの緩和を図りながら
  2. 今のひどい状態を信頼できる整体があれば、そこで一度ほぐしてもらう
  3. 可能な限り夜お風呂は湯船に浸かってもらう
  4. 原因である筋肉のコリの緩和に、服用するならば葛根加朮附湯を勧奨
  5. 日々、一定時間で実施するといい胸・肩・首の筋肉を伸ばすストレッチを紹介
  6. 椅子に設置する姿勢を正すための座椅子の紹介

1で根治までの対症療法を図り、2.3.4.5.6で原因の改善と今後の予防について、可能な方法をお伝えしました。決して一言も買ってくださいとは言っていません。「もし~なら、こういったものがあります」といったような解決策の提示を行っただけです。

しかし、それに対し、「ありがとう!ここにあるなら全部買わせて!」と言い、レジでお支払いの際も何度も「ありがとう!」と感謝いただき、お帰りになりました。

後日、同じ方が店舗に来られ「本当にあれで良くなったよ!ありがとう!会社のやつにもオススメしといたよ!で、今度は仕事で疲れた時に何かいいのないか、聞きに来たんだけど…」と、更に感謝され、紹介までいただき、追加で買いたいものがある、とあちらから話に来てくださいました。

このような経験から、営業はお客さんの悩みを明らかにし、解決策を提示することで、お客さんから感謝して買ってもらうことが仕事だと感じました。

こちらから「買ってください」としつこくお願いをし、お客さんに渋々お金をお支払いいただくのではなく、お客さんから「買わせて」と言われ、お客さんが感謝しながらお金をお支払いいただく。これは大きな違いです。

営業は、お客さんの問題の原因を明らかにし、一緒に解決を図っていくことで感謝される、とてもやりがいのある素敵な仕事です。

続けて、営業の役割を果たすにはどういった能力が求められるかを見ていきます。

役割を果たすために求められる能力

営業の役割である「お客さんの悩みを解決する」ために求められる能力を3つまとめてみました。

人間性

まず、1つ目は人間性です。この人の悩みや課題を寄り添って解決したい、という姿勢や気持ちがなければ、お客さんからは、話さえしてもらえません。人間性に問題のある人に相談を持ち掛ける人はほとんどいないのではないでしょうか。まず前提として、この人に相談したいと思っていただける人でなければなりません。

専門的知見

2つ目は、専門的知見です。その業界の専門的な知見がなければ、お客さんの話から把握した事実を基に、お客さんの悩みの原因や解決について一般的な話しかできません。専門的知見がなければ、お客さんからすると「そんなこと自分でもとっくにわかってるよ」「時間の無駄」と思われてしまいます。

課題解決力

最後は課題解決力です。お客さんの話から得られた事実から真の原因を特定し、その原因をどうすれば緩和・根治できるかを論理的に考える力です。論理的な原因特定からお客さんは「それは確からしい」と判断し信頼します。

特にこれらの3つの要素は、営業研修や販売研修でも度々フォーカスされる要素ではないでしょうか。どれか1つだけあればよい、というのではなく、どれもバランス良く兼ね備えている必要があります。

誤解を恐れず言うと、究極は営業がお客さんを選ぶ。これらの要素を兼ね備え、お客さんの悩みに真剣に向かい合い解決する営業は、「お願いするなら買ってやってもいいぞ、その代わり安くしろ」というような人はハッキリと私のお客さんではありません、とお断りし、悩みを抱え解決したいお客さんのために時間と労力を費やすべきです。

営業担当者がまず考えるべきこと

多くの営業担当者が犯す間違いは、売上だけを見て営業するという間違いです。「営業の給料は売上で決まるんだから売上を見て営業するのは当たり前だ!」という声が聞こえてきそうですが、それは違います。

理由は2つ、

1つは、売上だけを見ると、どうしても売ることに執着してしまい、前述の営業の本来の役割から遠ざかってしまう恐れがあること。

2つは、売上はあくまでも遅行指標だということ。今の行動は売上にはすぐに反映しません。将来の売上に繋がる、アポ数や提案数であればまだいいですが、売上のみからは未来のことは何も見えないからです。

そのため、営業担当者がまず考えるべきことは、

  • いかに困っているお客さんと多く会えているか
  • 困っているお客さんの頭痛の種を明らかにできているか
  • その上で解決できる提案をしているか

です。

もちろんお客さんのニーズに合った商品やサービスであることが前提ですが……しっかりとお客さんの目線で、一緒に悩みの原因や解決を考えていれば、訪問数、提案数が伸びることで、自ずと将来の売上も伸びます。そして、お客さんが本当に頭痛の種を根治できると分かった際には、喜んで購入・契約し、その後も同じような悩みを抱える人を連れてきてくださいます。

基本的に、紹介だけでどんどん成約が増えていく営業担当者はお客さんの悩みを一緒に解決し、お客さんから感謝して購買・契約してもらっている営業担当者です。

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