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4つのケース別で見る新規営業の進め方

企業の発展には欠かせない新規営業。営業の中でも既存(ルート)営業同等、もしくはそれ以上に重要な位置づけと考えている企業も多いのではないでしょうか。

今回は営業のなかでも新規営業に焦点を当て、ケース別に必要な要素やプロセスを見ていきます。

新規営業がなぜ必要か?

新規営業は企業の成長には欠かせません。なぜなら既存顧客だけでは、顧客単価と販売点数の向上でしか売上の拡大を見込むことができず、客数は変わらないどころか顧客離れにより客数が減るリスクもあります。

客数の増加は、新規顧客の獲得によってもたらされます。そのため、全ての企業において新規営業は重要であるとともに必ず必要な機能です。

新規営業の概要

この記事では、

  • 筆者の考える営業とは
  • 新規営業の定義
  • 営業手法について
  • 新規営業の管理
  • 新規営業のステップ

上記の5点について順に解説します。この記事で説明する要点を上の図にまとめてみました。

この記事を読み終わるころには、各ケース別の新規営業の考え方と進め方が概ね理解できるようになります。

筆者の考える営業とは

筆者は営業とは、科学と情熱と行動が揃って初めて機能するものだと考えています。

営業=科学×情熱×行動

科学とは、営業戦略(ターゲット・商品サービス・営業方法)・計画。

情熱とは、顧客・自社・商品サービスを好きだという気持ち・自身の人間性や企業の在り方。

行動とは、実際の営業活動。

営業は、この3つが揃ったときに初めて正しく機能するものです。

また、近年のコロナウイルス感染拡大などによる事業への影響、CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)・SFA(セールス・フォース・オートメーション)・MA(マーケティング・オートメーション)などによる顧客管理や関係性構築の効率化や営業・マーケティングの自動化などの技術進歩、顧客の生活や嗜好の変容など、外部環境変化の激しい現代において、営業は営業力だけあればいいというものではありません。

営業には基本的な人間力、コミュニケーション能力、課題設計・解決能力、マーケティング力、営業力など多岐にわたる資質が必要だと考えています。

全ては商品・サービスを必要としてくれる顧客のための活動でなければなりません。

また営業には、大きく分けて2つ、

  • 新規営業
  • 既存(ルート)営業

があります。新規営業により見込み客が顧客となり、既存営業により継続取引いただくことで、企業は顧客の確保をします。

続いて、新規営業について解説する上で、新規営業の定義について考えましょう。

新規営業の定義

新規営業をここでは大きく2つに区分けます。

1つめは、同じ商品サービスで新しい顧客を獲得する、新市場開拓。

2つめは、新しい商品サービスで新しい顧客を獲得する、多角化。

”同じ商品サービス×新しい顧客=新市場開拓”と、”新しい商品サービス×新しい顧客=多角化”、この2つのケースに分けて考えていきます。

この2つを、難易度・かかる労力・効果の出やすさで見ると、新市場開拓の方が難易度は優しく・労力もかからず・効果も出やすく、多角化の方が難易度は難しく・労力もかかり・効果も出づらいです。その理由は、同じ商品やサービスを自社の満足度が高い既存顧客と同じ属性の見込み客にアプローチする新市場開拓に比べ、多角化は新商品やサービスの設計から営業戦略まで多岐にわたる準備が必要になるからです。

営業手法について

営業手法をここでは大きく分けて2つに分類します。

1つめは、アウトバウンド(プッシュ型)営業。

2つめは、インバウンド(プル型)営業。

マーケティングとインサイドセールスにより受注を獲得していく、というようなインバウンド営業が近年注目されているだけあり、インバウンドの方が優れていると言う方も中にはいらっしゃいますが、筆者としてはどちらの手法の方が優れているか・選択すべきかについては、企業の状況によってケースバイケースだと考えています。

企業の状況とは主に、企業の保有資源・商品・顧客です。

保有資源は、人・モノ・カネ・情報・知財(ノウハウ)。商品は、商品特性や特徴・価格。顧客は、どういった顧客が対象か、を指しています。

アウトバウンド営業

アウトバウンド営業とは、テレアポや飛び込み営業やDMなどをイメージいただくとわかりやすいように、こちらから顧客へアクションを起こす営業方法です。

見込み客リストに従い、テレアポや飛び込み訪問、DM送付を行う、というようにこちらから顧客に対してアクションを起こすことからプッシュ型営業とも呼ばれています。

こちらからアクションを起こすことから、インバウンド営業に比べ、

  • 効果が比較的早く出る
  • 準備が早くすぐに行動に取り掛かれるが、営業に労力がかかる
  • 結果が各営業担当の能力に左右されやすい
  • 顧客の行動ベースではないため、最初は興味のない見込み客にまでアプローチすることから受注率は低くなる傾向がある

といった特徴があります。

インバウンド営業

インバウンド営業とは、ホームページ問い合わせやカタログダウンロード、デジタル広告、セミナーや展示会など、顧客からのアクション主体となる営業方法です。

広告やSNS、ブログなどで自社のことを認知し、興味関心のある顧客から問い合わせや資料ダウンロードいただく、というように、顧客から自社にアクションがあることからプル型営業とも呼ばれています。

顧客からのアクション主体となることから、アウトバウンド営業に比べ、

  • 効果が出るのに比較的時間がかかる
  • 準備に労力やノウハウ、時間が必要だが、営業の労力は少ない
  • 結果が各営業担当の能力に左右されにくい
  • アプローチする見込み客は興味がある前提のため受注率は高くなる傾向

といった特徴があります。

営業管理について

新規営業の管理において、多くの企業が一番重要と考える項目、それは各見込み客の受注確率ではないでしょうか。しかし、多くの企業で営業部員の「受注まちがいないと思います」「かなりいい感じです」などの報告を受け、受注確実だと期待するも結果は失注に終わる。このような経験が1度はあると思います。

なぜこのように受注確率は当てにならない、ということが起きるのでしょうか。

それは、組織としての基準に基づいておらず、個人の主観ベースに判断をしているからです。

新規営業の受注確率や受注予想金額などを把握するための方法は、セールスファネルに基づいて管理することです。

セールスファネルとは日本語だと営業の漏斗と表現され、漏斗のようなステップで顧客が契約に至るまでのプロセスを表すものです。この段階ごとに顧客への営業活動状況を当てはめ、実績データに基づき受注確率を管理していきます。

企業の取り扱う商品やサービスの価格や特性、顧客や営業方法などによって、各段階の内容や段階数なども変わります。ただし、どんなセールスファネルでも次の段階に進むことによって契約に1段階近づき、段階的に受注確率が高まるという原則は同じです。

セールスファネルの設計については、どんな見込み客にどんな商品サービスをどのように販売するのか、いわば戦略を決めるのと同意義です。そこで重要になる言葉がカスタマージャーニーです。カスタマージャーニーとは日本語では「顧客の旅」と表現され、顧客が契約に至るまでのプロセスを指します。

カスタマージャーニーでは、顧客の各段階ごとの感情や思考、行動を把握し、見える化していくことが重要です。先ほど、営業には人間力やマーケティング力など多岐にわたる資質が必要だと説明した根拠はここにもあります。

ケース別新規営業のステップ

これまでで説明した、新規営業の2つの定義と2つの営業手法を合わせると上のようなマトリックス図ができあがります。この図に沿って各4ケースの新規営業ステップを紹介します。

ケースに関わらず、重要な考え方は顧客の課題や悩みの解決やニーズを満たすことと、見込み客の見込み売上のポテンシャルによって優先順位をつけることです。

ケース1:新市場開拓×アウトバウンド営業

  1. プロジェクトの目的・目標、スケジュールなどを計画する
  2. 現在の取引額上位の顧客を分析し、顧客の特徴・ニーズ・なぜ契約に至り契約が続いているのか、などを明らかにする(内部環境分析)
  3. アプローチするエリアや業界での顧客・競合他社について調査する(外部環境分析)
  4. アプローチするエリアや業界などを決めた上で、見込み客リストを作成する
  5. 営業戦略、計画、営業ツールを作成する
  6. 計画を基に営業活動を実施、営業管理をする
  7. 一定期間で計画に対する実績を検証分析し、計画や行動を修正する

ケース1での新規営業の取り組み方は、自社の既存優良顧客と同じ属性の見込み客にアプローチする、いわば横展開です。なぜ、その顧客が自社と契約し、続けて愛顧いただけているのか、その要因を明らかにすることが新たな見込み客のニーズを満たす一番の近道です。場合によっては、既存顧客にインタビューさせてもらうことも効果的でしょう。

ケース2:多角化×アウトバウンド営業

  1. プロジェクトの目的・目標、スケジュールなどを計画する
  2. 自社の保有資源(ヒト・モノ・カネ・情報・知財)・顧客販売データなど各種データ、日々営業活動の中で得られる顧客ニーズなどの情報を洗い出し分析する(内部環境分析)
  3. 商品・顧客・競合他社について市場を調査分析する(外部環境分析)
  4. 新商品・新サービス案を出す
  5. 新商品・新サービスの価格や特徴からニーズのあるエリアや業界・顧客層を検討し、ターゲットとする見込み客を選定し、仮説を立てる
  6. 試作品を作り、テスト販売することで立てた仮説を検証する
  7. 検証を基に新製品・新サービスを改良する
  8. 新商品・新サービス、ターゲット顧客、競合他社を考慮した上で、営業戦略、計画、営業ツールを作成する
  9. 計画を基に営業活動を実施、営業管理をする
  10. 一定期間で計画に対する実績を検証分析し、計画や行動を修正する

ケース2での新規営業の取り組み方は、顧客のニーズを元に商品サービス開発する(マーケットイン)、戦略・計画を定めて取り組む、見込み客のニーズや課題を明らかにし解決に注力するです。プッシュ型だからといって単なる押し売りではなく、課題解決(ソリューション)営業を徹底することが重要です。

そのためにも自社の正しい現状把握が欠かせません。顧客・競合・自社についての正しい把握が必要です。

ケース3:新市場開拓×インバウンド営業

  1. プロジェクトの目的・目標、スケジュールなどを計画する
  2. 現在の取引額上位の顧客を分析し、顧客の特徴・ニーズ・なぜ契約に至り契約が続いているのか、などを明らかにする(内部環境分析)
  3. アプローチするエリアや業界での顧客・競合他社について調査する(外部環境分析)
  4. 調査分析を基に仮説を立て、ターゲットとする顧客層を設定する
  5. 定めた顧客層のカスタマージャーニーを設計する
  6. 契約までのプロセスを逆算し、顧客との接点ごとに必要なコンテンツ(キャンペーン)を企画、作成する
  7. (場合によって)広告出稿する
  8. 興味関心をベースにアクションのあった見込み客をフォローする
  9. 一定の段階でクロージングし契約に繋げる
  10. 一定期間でホームページ、メールなどのトラッキング情報、広告などをはじめとしたデータ、営業実績を計画に照らし合わせ検証分析し、計画や行動を修正する

ケース3では、基本的に大きく分けると顧客の認知→興味や関心→理解や共感→検討や比較→意思決定→契約という順序を辿ります。この設計がカスタマージャーニーの設計です。ここでも、自社の正しい現状把握は欠かせません。現状把握は定量的な構造化することをオススメしています。

アウトバウンド営業の時に比べ、マーケティング要素が強いと感じた方も多いでしょう。実際に、

  • マーケティング部が一定段階まで実行し、一定段階で営業に引継ぎ営業でフォローとクロージングを実施する
  • マーケティング部が一定段階まで実行し、一定段階でコールセンター(コンタクトセンター)が顧客と契約する
  • マーケティング部が契約まで完結する
  • マーケティング部が社内に存在せず、営業部が完結する

など様々な方法を取る企業があるかと思います。重要なのは、顧客のニーズや課題と向き合うための戦略やプロセスに従い組織を最適化することです。

ケース4:多角化×インバウンド営業

  1. プロジェクトの目的・目標、スケジュールなどを計画する
  2. 自社の保有資源(ヒト・モノ・カネ・情報・知財)・顧客販売データなど各種データ、日々営業活動の中で得られる顧客ニーズなどの情報を洗い出し分析する(内部環境分析)
  3. 商品・顧客・競合他社について市場を調査分析する(外部環境分析)
  4. 新商品・新サービス案を出す
  5. 新商品・新サービスの価格や特徴からニーズのあるエリアや業界・顧客層を検討し、ターゲットとする見込み客を選定し、仮説を立てる
  6. 仮説を基に、見込み客から契約・商品サービスの利用までのカスタマージャーニーを設計し、新商品・新サービスを試作する
  7. 契約までのプロセスを逆算し、顧客との接点ごとに必要なコンテンツ(キャンペーン)を企画、作成する
  8. テスト販売を行うことで仮説を検証する
  9. 検証を基に商品サービスやコンテンツを改良する
  10. 新商品・新サービス公開
  11. 興味関心をベースにアクションのあった見込み客をフォローする
  12. 一定の段階でクロージングし契約に繋げる
  13. 一定期間でホームページ、メールなどのトラッキング情報、広告などをはじめとしたデータ、営業実績を計画に照らし合わせ検証分析し、計画や行動を修正する

ケース4では、ケース3に比べ商品サービスを開発する分、より詳細な仮説検証が必要です。ケース3と同様に作成するコンテンツやフォロー方法は企業の状況( ヒト・モノ・カネ・情報・知財 などの保有資源)・商品サービスの価格や特徴・顧客の特徴により柔軟な選択が必要になります。

まとめ

今回は、新規営業を4つのケースに分けてそれぞれに必要な手順をまとめてみました。

どのケースにおいても重要なのは、 顧客の課題や悩みの解決やニーズを満たすことと、見込み客の見込み売上のポテンシャルによって優先順位をつけることです。

また、手法はあくまでも手段に過ぎず、本来の目的を達成するために活用するものです。

この記事で何か使える考え方があれば、新規営業に取り組む際にぜひ活用してみてください。

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