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収益向上におけるLTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)の考え方

マーケティングや営業を考える上でも最近は当たり前となってきている LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー) 。当たり前となってきている分、1度は聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。

なぜLTVについて考えるべきなのか、LTVを向上させるにあたって考えること、このあたりについて少しまとめてみました。

目次

LTV( Life Time Value/ライフタイムバリュー )とは

LTV(Life Time Value/ライフタイムバリュー)は顧客生涯価値とも言われ、その顧客から得られる収益の総額、を表します。

式で表すと、

LTV=平均顧客単価×収益率×購買頻度×継続期間

となります。式に購買頻度と継続期間があるところから、企業と顧客の関係に焦点を当てていることがわかります。

LTVを考える上で特に重要なのは、やはり購買頻度と継続期間。いかに顧客に長く愛顧いただくか、です。

なぜLTVを考えるべきなのか

では、なぜLTVを考えるべきなのか。結論は、「市場の中で競合と差別化して顧客満足を得ることで、顧客との関係を長く続けるべき」だからです。

その理由について、外部要素と内部要素の2つの視点から見てみます。

外部要素から見る

外部要素は市場・顧客・競合の3つの視点から見ていきます。

市場

ある商品の市場規模(市場全体の売上)は、

市場規模=延べ購入回数×購入1回当り平均購入個数×平均単価

と表されます。この延べ購入回数は、顧客数×購買頻度とも言い換えることができます。

現在、多くの国内市場は日本の人口減少に伴い、顧客数の減少により市場規模も縮小しています。将来、更に日本の人口減少が進むことが推計されています。

引用:内閣府ホームページ 将来推計人口でみる50年後の日本

顧客

インターネットなどで簡単に情報が取れる現代において、様々な情報を基に顧客は自分の意思で購買決定をします。

例えば、商品の原価率を極端に下げその分広告費をかけるといったように、粗悪な商品を広告費を掛けて顧客に販売しても、顧客は満足しないどころか不満を抱き、2度目の再購入はなく、むしろ悪い評判だけが広まっていきます。

競合他社

企業は、市場の中で競合他社と常に企業間競争にさらされ市場のシェアを奪い合っています。

この3つの外部要素をまとめると、限られた市場のシェアを競合他社と常に奪い合っており、顧客は様々な情報から購買決定をしています。ここから、いかに競合と差別化することで顧客満足度を上げ、顧客に長く愛顧いただくことが重要か、がわかります。

内部要素

新規顧客獲得のコストは既存顧客維持のコストの約5倍といわれています。これは1:5の法則と呼ばれ、既存顧客維持コスト:新規顧客獲得コスト=1:5となります。

↓新規顧客獲得についてはこちらの記事でも触れています↓

コストをかけ新規顧客獲得しても既存顧客の維持ができなければ、2度目以降の購買はなく新規顧客獲得のコストだけが嵩み、収益が全く出ないというような構造になります。

ここからも、既存顧客を維持することの重要さがわかります。

LTVを向上させるには

LTVを向上させていくための考え方は、LTVの式を構成する、顧客単価・収益率・購買頻度・継続期間の各要素を上げることです。

顧客単価は、

顧客単価=商品単価×購買点数

というように、商品単価と購買点数に分けて考えることができます。商品の単価を上げることができないか、1回あたりの顧客の購買点数を上げることができないか、の2点です。

収益率は、かかる費用を抑える、もしくは費用はそのままで販売単価を上げることで実現します。費用については、商品やサービスの品質に関わる費用を抑えることはオススメしません。一時的に収益率が上がったとしても、商品やサービスの品質が下がる結果、継続期間が著しく落ちることで結局LTVは改悪するといったこともあり得ます。

購買頻度は、顧客の購入頻度を上げることができないか、です。

継続期間は、いかに顧客に長く商品サービスを利用いただくか、です。

これらの達成を目指すことでLTVは向上しますが、手順としてはLTVの各要素から考えることはオススメしません。なぜなら、各要素を向上するための施策として考えることで、自社の都合で各要素を向上することに走ってしまいがちになるからです。

LTVを向上させていくために踏むべき手順は、現状の把握(戦況分析)・戦略の策定・組織の変容と実施です。これらのプロセスの結果、LTVを向上させることを目指すべきです。

要するに、顧客や競合他社など市場をしっかりと理解した上で考えましょうということです。

また、簡単に売上をあげる方法!などで度々紹介されるような、平均単価向上を狙ったセット販売、ゴルディロックス効果(松竹梅の法則とも呼ばれる)を活用したメニュー構成、メールでの頻繁な接触、などは単なる手法であり、こういったものを何も考えず場当たり的に取り入れる、というのもオススメしません。

単なる1手法のような情報が溢れている現代において、小手先では効果はほとんど望めません。効果が上がったとしてもそれは一時的で、長期的にみるとプラスになっていないことがほとんどです。なぜなら、こういったものはあくまでも枝葉の部分であり、市場・顧客・競合・自社のことを見ていないからです。大切なのは、本質、中身の部分です。

顧客・競合・自社、と市場の構造を正しく把握して戦況を理解することが前提にあり、目指すべき場所を確定し、現状と理想の差を埋める戦略を立て、それを実行していくために組織を変容し、実施することです。正しい現状把握を基に、戦略などの大きな部分から戦術などの小さな部分に落とし込んでいく、このプロセスが成功確率をあげる一番の近道です。

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