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2022年に考える3つのこと-環境・経営・医療-

ブログを始めてから、今回が初めての雑記です。

2022年。年始に考えていることを文章にしてみようと、PCの電源を付けました。
あくまでも個人的な見解であり、業界や分野を否定するものでは決してありません。

今回記すことは、大きく3点。
環境の変化について、経営の計画に対する考え方の変化について、医療の変化について。

環境の変化について

直近2年間においてコロナウイルス感染拡大が社会や経済に与える影響は甚大で、様々な企業様の財務状況を診させていただいた中でも影響は明らかです。
withコロナ、afterコロナと言われるように、今後もビジネスにおける明らかな構造変化を前提に進んでいくことは想像に容易い、と考えている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

今回はコロナウイルス感染拡大でしたが、過去株式市場でも”~ショック”と呼ばれ、社会や経済、そしてビジネスの構造に変化を及ぼすほどの大きな影響を与えるような、予測できない出来事は、ここ5~10年で見ると、起こることを前提に考えていく、という方がしっくりくるのではないかと感じています。

もう1つは、2015年よりそれまでのMDGsの後継として採択された、2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のSDGsに代表されるサスティナビリティ(持続可能性)という考え方。コロナ禍において、関心が更に高まり、もはや社会課題・ビジネス課題ともなっています。

そして、このような変化と共に、人の考え方や嗜好、行動の変化も著しく、様々な業界のデータからも既に変化は明らかです。

経営の計画に対する考え方の変化について

結論から先に申しますと、
これからはより「5年先を読む経営から、先が読めないことを前提とした経営」に向かうべきなのではないかということと、
ほとんどの経営者が、「財務における経済的な利益だけではなく、その先の社会的な課題解決や貢献など社会的な利益」を重要視しているということ。

まず、「5年先を読む経営から、先が読めないことを前提とした経営」 について、
これは、決して現状を分析しなくていい・全く先を読まなくていいと言っているわけではありません。
先述の、5~10年でビジネスの構造に変化を及ぼすほどの予測できない出来事の発生を前提に経営を考えていく必要があるのではないか、ということです。

当方もこれまで、財務・仕入・製造・販売などあらゆる内部データと顧客・市場規模・業界動向・競合などあらゆる外部情報の分析を強みに、現状を定量的に構造化をすることで戦況分析をし、5年後の理想実現に向けたハイボリュームな経営計画策定のご支援をサービスメニューの1つとして取り組んでいました。しかし、環境変化と共にサービスの見直しが必要であると感じ、都度変化させています。
今後は、更に要点を絞ることで計画策定にかける期間を短縮し、実行スピードの向上、特に組織体制・人材マネジメントに重きを置くことを想定しています。今の時代に求められる組織の理想は、予測不能な事態が起こった際にも、俊敏そして柔軟に対応できうる課題解決能力を備えたアジャイルな組織ではないか、と考えています。

次に、 「財務における経済的な利益だけではなく、その先の社会的な課題解決や貢献など社会的な利益」 について、
これは、背景としてサスティナブルへのシフトや、「人新世の『資本論』」斎藤 幸平著の中であるように、市場規模の拡大と共に際限なく消費を拡大するこれまで通りの経済成長は終わり、「脱成長」に移行していく、という考え方にもまさに当てはまる、と考えています。

医療の変化について

コロナウイルス感染拡大によって大きく変化したものの1つが、医療そのものや医療に対する考え方ではないでしょうか。私は、医療の中でも特に薬業は専門領域の1つでもあり、動向は常に気になっています。
コロナウイルス感染拡大を機に、業界内で大きな変化が起こり、今まで変わってこなかったものが次々に変化していく実感があります。

オンライン診療の普及を見ても、変化は明らかです。
スマートホスピタル、医療体験の改革への動きがより本格化していく。

薬局ドラッグストアの調剤業務を見ても、代表的なものとして、0402通知(2019年厚生労働省「調剤業務のあり方について」)や0410対応(2020年新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特例的な取扱いについて)などを契機として、求められる対人業務のあり方への変化、そしてオンライン服薬指導、2023年予定されている処方箋の電子化へ向けての動き、OTC薬オンライン販売市場規模の拡大など、著しい変化です。

そして、患者自身の健康に対する考え方、未病対策、医療機関や企業に求めるニーズの変化。
患者自身のリテラシーの向上とビックデータやAI技術の活用による健康のコンシューマライゼーション。
様々な企業による、ヘルスケア領域への新規事業展開の増加。
実際、昨年に複数の企業様よりヘルスケア領域の新事業に関するご相談やドラッグストアの業界・事業構造についての情報提供のご依頼をいただきました。今年もヘルスケア領域への新規事業展開に関するご相談の予定を控えており、今後も特にIT企業でこの傾向は継続すると見ています。

業界、患者や企業が変化していく中で、私が個人的に大きな課題として見ているのは薬局・ドラッグストアの組織と人材マネジメント。
一昔言われていた、対物業務から対人業務へ、そして、近年のITによる効率化推進。
医療体験の変革にはITは必要かもしれないが、ITだけでは成し得ない。特に、企業側からみた医療体験の変革ではなく、患者側から見た医療体験の変革において、人的サービスが関わる以上、人材マネジメントの重要性が高いのは明白です。
レガシーなものが次々と変化していく段階において、これまでの人材マネジメントでは企業内のトップとミドルとロワー、それぞれの階層間での歪みが更に大きくなると考えています。

薬局業界は、他業界に比べ転職が容易な業界であり、薬剤師の確保に頭を悩ます事業者も多い。
私も実際、元は現場にいた人間。働き手から見て、企業間で職務内容が同質に見える状態では、報酬や職場環境のちょっとの違いですぐに転職してしまう、このような状況を幾度となく見てきました。薬剤師人材派遣サービスが乱立し、非正規雇用の増加、非正規雇用の賃金の方が正規雇用よりも高くなる異質な業界構造、そして、薬局長などの管理者に出来ればなりたくない問題と、企業内での本部と現場の見るべき課題と見ている課題の乖離などの現状。

こういった状況が引き起こされる様々な要因の1つとして、暗記型教育があるのではないかと考えています。
薬学の授業は、人体の構造・病態・薬物・作用機序・副作用など…多くが暗記を必要とします。これは就職後も続き、必要な知識を習得し、決められた業務手順を覚え、間違わないことが当たり前の上で職務を遂行する。研修も知識の習得など暗記型学習が主流であり、暗記型学習で学んできた人材は教わった通りに暗記型学習に基づきOJTを遂行する。

そして、特に管理者になりたくない問題については、管理者となるまでの段階に問題を孕んでいる、と考えています。
薬学知識・接客応対に関するOJTは充実している一方、計数管理や課題解決、人材マネジメントなどビジネススキル向上に関するOJTはほとんど受けたことがなく、また、OJTをする側の人材も薬学知識や経験には秀でているものの、ビジネススキル向上についてはOJTをするだけの知識と経験が不足している。それにより、薬学知識や経験には秀でているものの、マネジメントに関わるスキルが伴わず、場合によっては企業のビジョンと個人の目標や、やりがいもわからないまま、管理者となる。しかし、下からは当然期待され求められる結果、精神肉体両面に負担がかかり、急に孤立したような心情となってしまう。
このような構造にも課題があると実感しています。


企業のビジョン・個人の目標ややりがい・薬学知識とビジネススキルのバランス、これらを考慮した人材マネジメント。これが必須であると考えています。そうすれば、自ずとアプローチ自体も変わり、思考型学習の割合が増えてくるのではないでしょうか。

当方も、今後業界の課題に対して、薬局・ドラッグストアにおける、特にマネジメント人材に向けた課題解決力向上や計数管理などのビジネススキルの向上、人材マネジメントに関わる研修サービスの強化を図っていく必要があると感じています。
本年は医薬系の学校法人での講師の仕事も予定されており、薬業の人材マネジメントについてじっくり取り組む絶好の年だと思っています。

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